遺伝子組み換えトウモロコシに毒性発覚?

遺伝子組み換えトウモロコシに関する
新情報が発表された。
モンサント社製の遺伝子組み換えトウモロコシを
与えられたラットの肝臓と腎臓に毒性が現われた
というものである。


この事実は、モンサント社欧州委員会
欧州での販売許可申請書を提出した自社の
遺伝子組み換え殺虫性トウモロコシ「MON863」
の安全性調査報告書を専門家が
あらためて審査したことで明らかとなった。


審査を行ったのは、
フランスのカン大学遺伝子組み換え技術工学の
政府専門家である
ギリス・エリック・セラリーニ教授が率いる
科学者チームである。


MON863は、トウモロコシによく見られる、
根きり虫に対して毒素を発生する菌の遺伝子を
組み替えたトウモロコシ。
害虫を土壌で殺してしまう作用を持っている。
また、抗生物質耐性遺伝子も組み込まれているそうだ。
MON863を認可している国は、
EU、オーストラリア、カナダ、中国、メキシコ、
フィリピン、アメリカ、そして、日本である。
日本では、2001年3月に安全性審査を通過し、
食品、飼料として流通している。


MON863が人間や動物の健康に及ぼす危険性は
おもに2つの結果が得られた。
1つは、肝臓と腎臓への毒性、
もう1つは、性別による体重の異常変化である。
体重については、オスでは3.3%の重量減少、
メスは3.7%の重量増量が認められた。


この2つの結果から、MON863が、
内分泌かく乱化学物質として作用し、
ホルモン代謝異常を引き起こしている可能性を
指摘している。
毒性発生の原因については不明。


以上より、結論として言えることは、
「MON863は食品や飼料として安全とはいえない」
ということである。


今回の一件で、ただちに、
遺伝子組み換え作物は危険であると結論付けるのは
早計であるが、何か、不自然だなということは、
素人でも感覚的にわかる。
ただし、今まで、それを科学的に証明するデータが
少なかった。
食べ物は、命に関わる問題なので、
中立公正な組織から発表された
科学的な裏づけのある真実が知りたい。
それと同時に、
「食べない権利」でも述べたとおり、
食べたくないものは食べないという
権利を保証するために、
正確な食品表示が求められる。
これは、消費者が声をあげていかなければ、
状況は改善しないのだと思う。


遺伝子組み換え原料を使用しているかしていないかを
判断するためのツールとして、
1つの参考になりそうなのが、
グリンピースが発行している
「トゥルーフード・ガイド」である。
Web上にも検索サイトがあるので、
参考にしてみるとおもしろいかもしれない。