グリーンマウンテン・コーヒー

米国ナスダック市場に、
グリーンマウンテン・コーヒー・ロースターズ
という会社が上場している。
米国バーモンド州に本社を置く
コーヒー豆の販売店である。


1981年バーモンド州の小さなカフェとしてスタート。
当時の社員数はわずかに20名だった。
現在は700人と急成長し、
100種類以上の豆を
スーパーやコンビニ、レストランなど
約8000の卸売業社に販売している。
自社店舗は持たず、個人向けの豆は
信販売で直販している。


グリーンマウンテン・コーヒーの特徴は、
商品の約30%が、オーガニックやフェアトレードコーヒーで
占められていることである。


フェアトレードというのは、
貧困のない公正な社会を作るために、
アジア、アフリカ、中南米などの生産者側が、
安い値段で作物を買い叩かれるという
不公平な取引を阻止し、
生産者にとって公平な流通取引を支援することで、
貧困層の自立をサポートするという運動である。


業績は好調。2006年の売上高は
2億2500万ドル(265億円)と、
前年比39.5%の増加。
株価も3年で2.3倍になっている。


グリーンマウンテン・コーヒーの
社会的責任企業としての取り組みは、他にもある。
税引き前収益の最低5%を寄付にあてていること。
また、再生不能資源で作られていた紙コップを廃止、
インターナショナル・ペーパーと共同開発した
トウモロコシを用いたバイオプラスチック
使用している。
バイオプラスチックは、土中のバクテリアによって、
水と二酸化炭素に分解される
環境に優しい素材なのだ。


グリーンマウンテン・コーヒーを
日本で販売している店が茅ヶ崎にある。
それは、「サウザリー コーヒー&プレート」
というカフェ・レストラン。
2006年10月にオープンしたばかりの店だ。
店舗で、コーヒー豆を販売しているので、
購入することも可能。
調べてみたら、オンライン通販もやっている。


話は変わるが、よく考えてみると、
日本の株式市場には、
グリーンマウンテン・コーヒーのような
環境・健康・社会貢献に真正面から取り組んでいる企業が
あまりないように思う。
存在しても、業績、株価はお世辞にも
成長企業と呼ぶことはできない企業が多い。


典型的な例は、秋川牧園だ。
1997年11月にジャスダックに上場した
無農薬無投薬の食肉、鶏卵、牛乳、無農薬野菜等の
生産・販売会社だ。
業績は大変厳しく、今期も赤字決算の予想。
株価は、2005年3月期の黒字転換後上昇し、
いったんは、1000円という高値をつけたが、
現在は、500円台に沈んでいる。


省電舎も然り。
日本でのエスコ事業(エネルギー削減保証ビジネス)の
草分け企業である。
工場やビルなどに省エネルギー対策を施行し、
節約できた金額の一部からフィーをもらうという
ビジネスモデルであるが、
2006年9月期決算で赤字に転落し、
上場直後の高値202万円から大きく下落し、
現在は、1/6の34万円となっている。


このような企業は、これからの日本にとって必要な
製品やサービスを提供している企業だと思うので、
なんとかふんばって、業績を立て直してもらいたい。
投資対象として、きちんと評価されれば、
環境・健康・社会貢献銘柄に対する
投資家の見方も変わってくると思うからだ。
投資の世界発の環境問題の取り組みが
あってもいいだろう。