うぐいすが教えてくれたこと

今朝、事務所の窓を開けて、空気を入れ替えていたら
うぐいすの鳴き声が聞こえてきた。
六本木にも、うぐいすはいるんだなあ
とちょっと感動。
しかし、この時期にうぐいすとは、
ちょっと早すぎはしないか。


うぐいすについて調べてみた。
うぐいすは、季節によって鳴き声が違うそうだ。
春から夏にかけては、「ホーホケキョ」
秋から冬にかけては、「チャッチャッ」という地鳴き。
ちなみに、地鳴きというのは平常の鳴き方のこと。
それに対して、ホーホケキョは、
繁殖期のさえずりなのだそうだ。


うぐいすは、この陽気に誘われて、
春が来たと勘違いしているのだろう。
身近に温暖化の影響を感じてしまう出来事だ。


今年は、世界的にも異常気象が猛威を振るっている。
米国・欧州では暖冬、
ブラジルでは豪雨による洪水被害、
インドでは厳しい寒波、
オーストラリアでは記録的な干ばつ。


異常気象、異常気象というが、
ここ数年、頻繁に異常気象が起こっており、
異常気象も多発すれば、
それはもう異常気象ではないわけで、
よくある気象の変化の1つなのではと、
思わずつっこみを入れたくなる。


それはともかくとして、
今回の異常気象の主因は、エルニーニョ現象であると
多くの専門家は見ている。


エルニーニョ現象とは、
南米ペルー沖で発生する大気海洋現象で、
熱帯太平洋で東から西に吹く貿易風の影響で起きる
とされている。
平常の状態より貿易風の勢いが弱いと、
ペルー沖付近の海水温が上昇する。
そこで上昇気流が生まれ、北半球の気候を左右する
偏西風が蛇行を始める。
これによって、気圧配置が例年とは変わってしまい、
偏西風がへこんだ部分が温暖化現象を引き起こし
出っ張った部分が寒波となるのだ。


この説でいくと、偏西風の蛇行の原因は、
温暖化ということになるが、
別の説もある。


人間は、本来は自然界には存在しない、
化学物質を人工的に作り出してしまった。
その結果、この化学物質は、
地球の浄化システムでは分解しきれず、
やがて、オゾン層を破壊し、
その結果、地球の中心である軸がぶれ始め、
偏西風蛇行の原因になっているという説だ。


いずれにせよ、人間の経済活動がこの異常気象の
原因を作り出していることだけは間違いない。


最近、温暖化を警告する報道が大変多くなってきた。
映画「不都合な真実」の
元米国大統領のアル・ゴア氏や、
「1秒の世界」
「世界を変えるお金の使い方」
「気候変動+2℃」
の著者である山本良一教授などが、
新聞、テレビ、雑誌などのメディアに
頻繁に顔を出している。


昨日も、TBSで、
『超地球ミステリー特別企画「一秒の世界」』
を放送していた。


とにかく、まず、今地球で何が起こっているのかを
知ることはとても大切なことだと思う。
知らなければ何も始まらないからだ。


アル・ゴア氏が週間ダイヤモンド2月3日号の
山本良一教授との対談の中で述べている。

今、地球に起きている温暖化の問題は、
人類史上、誰も経験したことがないものです。
誰も経験したことのない問題に立ち向かうためには、
想像力が必要です。
つまり、わたしたちの
倫理的想像力が試されているのです。
(途中省略)
これがどういうことなのか、なぜ深刻な問題なのか、
なぜ緊急に行動を起こさなければならないかを、
より多くの人びとに理解してもらわなければなりません。
理解し、想像力を働かせることこそが、
十分な行動を起こしていくために
不可欠なことなのです。

まず、知ること。
何が起こっているのかがわからなければ、
行動を起こすことはできない。
多くの人とこの危機意識を共有できれば、
きっと何かが変わると思う。
わたしたち1人1人の力は小さいけれど、
環境に配慮した生活を送ることで、
お金の使い方が変わるはずだ。
何を買うか、何を買わないか。
何を使うか、何を使わないか。
この意識の変化だけで、
企業のあり方を変えることができるはずだ。
資本主義社会では、
消費者のニーズがないものは、販売されない。
消費者の選択次第で、企業が変わるのだ。
企業が変われば、社会が変わる。
社会が変われば、国が変わる。
国が変われば世界が変わる。


環境問題の取り組みは、短時間では結果がでない。
できるだけ早く行動する必要がある。
アル・ゴア氏は述べている。
「最も重要なことは、
一刻も早く、しかも大胆に行動を起こすよう
世界全体を動かすことだ」
そのためには、
消費者1人1にの草の根の力を欠かすことは
できないと思うのである。