牛乳は本当に体にいいのか

「牛乳は体によい」
これは、食の常識だ。
だから、私たちは、小学生の頃から、
学校給食で選択の余地なく、
牛乳を飲むことを強制される。


しかし、牛乳がどのように体によいのかを
詳しく知っている人少ないと思う。
そこで、日本酪農乳業協会のHPを調べてみた。

1.牛乳は体脂肪を低下させる。
2.ビタミンAとB2の効果で美肌効果あり。
3.乳糖、あるいは乳酸菌の働きで便通がよくなる。
4.良質なたんぱく質を摂取できる。
5.カルシウムとペプチドがナトリウムを排出し、
  血圧を調整することで、生活習慣病の予防になる。
6.カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする。

    (社団法人 日本酪農乳業協会HPより抜粋)

とのことだ。


一方、牛乳の効能に疑問を呈する意見もある。
昨日紹介した新谷博士は、
市販されている牛乳は胃腸によくないと
述べている。
ポイントは、「市販されている」
という部分だ。


市販されている牛乳は、その成分が、
「ホモゲナイズ(均等化)」されている。
生乳に含まれている脂肪の粒を攪拌して、
さらさらした液状の牛乳に加工するのだ。
その過程で、乳酸脂肪の酸化が起こり、
過酸化脂質に変化してしまう。
この「酸化がとても進んだ脂」は、
活性酸素同様、細胞にキズをつける。
その上、さまざまな雑菌の繁殖を防ぐために、
加熱殺菌が行われ、
このプロセスを経た牛乳は、
牛乳が本来持っている体によい成分を
全て失った体に悪い飲み物になっているというのだ。
日本酪農乳業協会が説明している有効成分が、
はたして、市販の牛乳の中に含まれているのか
疑わしいところである。
実際、市販の牛乳を母牛の代わりに子牛に飲ませると、
その子牛は4、5日で死んでしまうそうだ。


さらに、新谷博士は、
本来子牛が飲むための乳を、
種が異なる人間が飲むことは不自然だと述べている。
また、自然界では、「乳」を飲むのは、
生まれて間もない「子供」だけで、
大人になっても「乳」を飲む動物は、
人間の他には、存在しないとも言っている。


そもそも、哺乳類の子供はなぜ乳を飲むのか。
それは、乳を飲むことで、母親から抗体を受取り、
自分の免疫系を
環境に適合した形に作り上げていくためにである。
免疫系の確立した大人は、
牛乳を飲む必要はないのである。


母乳に含まれている成分は、
人間も牛もあまり大差はない。
タンパク質、脂肪、乳糖、鉄分、カルシウム、
リン、ナトリム、カリウム、ビタミンなど。
しかし、その成分の「質」や
その成分が持つ「情報」が違うのだ。
子牛が牛乳を飲めば、ほぼ100%の成分が、
体に吸収されるが、
種の違う人間が飲んでも、その多くは吸収されない。


たとえば、骨粗鬆症を予防するために、
牛乳を飲むとよいというが、
新谷博士は、牛乳の飲みすぎが、
骨粗鬆症を招くと言っている。
牛乳を飲むと
血中のカルシウム濃度が急激に上昇する。
体は血中のカルシウム濃度をなんとか
通常値に戻そうと恒常性コントロールが働き、
血中余剰カルシウムを腎臓から尿に排泄されて
しまうというのだ。
牛の乳に含まれるカルシウムは、
人間の体が受け付けないとすれば、
十分あり得る話である。


いったい、「牛乳は体によい」という
食の常識の源はどこにあるのだろうか。
その疑問を解くカギが、
フィット・フォー・ライフ
(ハーヴィー・ダイアモンド/マリリン・ダイアモンド
グスコー出版)
という世界で1200万部も売れている
空前のベストセラーである
健康栄養学の本の中にある。


「牛乳はアメリカでは最も政治と結びついている食品だ」
とこの本では指摘している。
『ロサンゼルス・タイムズ』紙によると、
米国の乳製品業界は、年間に約30億ドルも
政府から助成金を受けているそうである。
(もちろん、票集めのために)
政府は何億ドルも支払って乳製品を買い上げており、
もし、これが販売されず倉庫に眠ったままになると、
資金を回収できない。
そのため、牛乳の大宣伝キャンペーンを実施して、
乳製品の販売を促進している。
だから、牛乳が体によいという話は、
「作られた神話である」と報じている。


日本での牛乳の普及のきっかけになったのは、
1960年代初めにスタートした学校給食である。
戦後、食事のスタイルが欧米化し、
牛乳が普及したわけだが、
牛乳の販売を積極的に推進したのはどこか
をよく考えてもらいたい。
もちろん、アメリカである。
そう考えると、「牛乳は体にいい」説は、
多分に政治的な臭いがしてくるのである。


牛乳が体によいか、悪いかを
最終的に判断するのは、消費者1人1人である。
私は、もともと、牛乳が体にあわないないので、
牛乳推進派ではない。
私は、自分の体に合うかあわないかで、
自分にとって必要か、そうでないかを判断している。
その感性を高めるために、
体の声をよく聞くようにしている。


最後に客観的な事実を紹介しておく。
新谷博士の臨床結果によると、
「牛乳や乳製品を多く取っている人の胃腸は
美しくない」
とのことである。