納豆騒動に思う

私は納豆が大好きで、
家で食事をする時は、ほぼ毎日、
納豆を食べている。
ところが、この間、某局の某健康番組で、
納豆にダイエット効果があると放送されると、
納豆の買占めが起こり、
超品薄現象が発生。
もとからの納豆好きには、
大変迷惑な話である。


某大手スーパーでは、
何の変哲もない普通の納豆を
通常価格の2倍で売っていた。
便乗値上げもはなはだしい。
あのスーパーでは、二度と買い物をしないぞ。


それにしても、日本人は、
なぜこんなにもテレビの影響を受けやすいのだろう。
食や健康に関する専門家の話より
みのもんたや人気タレントの話の方が
インパクトが強いだなんて、
どういうこと?


しかし、かく言う私もあまり大きなことは言えない。
テレビの健康番組に踊らされていた1人だから。
寒天にダイエット効果があるといえば、
買いに走り、
ヨーグルトが花粉症に効くと聞けば、
毎日食べ続け、
今にして思うと、
なんてばかなことをしていたのだろうと・・・。
多いに反省。


テレビの健康番組の困った点は、
食材の持つ1つの効能にのみ注目して、
その食材を集中的に摂取することを薦めること。
何事もバランスが大切なわけで、
いくら体によいからと
一つの食材だけを集中的に摂取すれば、
バランスが崩れ、
逆に体に悪い影響が出かねない。


食べ物は、みんな体にいいのだ。
人工的に作り出した添加物の入った食物や
農薬にまみれた野菜や
薬づけの牛、豚、鳥、魚でない限りは。


今や、安全な食物を手に入れるのは至難のわざ。
ある本に書いてあったが、
納豆は比較的農薬の被害の少ない食べ物らしい。
納豆菌が浄化の役割を果たしているのだ。
しかし、怖いのは、遺伝子組替え大豆。


人間は昔から品種改良という
遺伝子組み換えの技術を使ってきた。
しかし、遺伝子組替え大豆の技術は、
品種改良という体に害のない遺伝子組替え技術とは、
根本的に別の技術なのだ。
簡単に言ってしまえば、生物として、
いじってはいけない遺伝子を操作しているので、
そのような作物は、
もはや植物とはいえない
ということらしい。


世の中は、
特にビジネスの世界では、
「危険が証明されなければ安全である」
という理屈がまかり通る。
私たちが口にするものや
体を洗ったり、
体にぬったり、つけたりするものは、
「安全が証明されないなら危険である」
という安全基準で作られていないことを、
よく理解した方がよい。


遅ればせながら、今、私は科学の勉強をしている。
科学的な基礎知識を身に付け、
科学的な物の見方や考え方ができるようにならないと、
自分や家族の身を守ることができないと
気付いたからだ。


特定の人物あるいは企業や団体の利益を守るため、
「危険が証明されないから安全」な
商品や製品の情報が毎日のように飛び交っている。
だまされないためには、
まず、知らなければならない。
まず、知ることから全ては始まる。


今朝の読売新聞に、
人類滅亡までの残り時間を示す
「終末時計」が、
「残り7分」から2分進められ、
「残り5分」となったと報道された。
北朝鮮とイランの核開発や核拡散への懸念、
米国とロシアにある2万6000発もの核兵器
地球温暖化の進行などが、
時計の針を進めた理由だ。


納豆騒動から、人類滅亡まで、
大きく話が飛躍してしまったが、
要は、大きな問題を解決する第一歩は、
私たち一人一人が、
常識というオブラートに包まれ操作された情報を
鵜呑みにしないことから始まるのだと思う。