プラネットアース

5月7日から4夜連続で放映されたNHK特集
プラネットアース」は、久しぶりにとてもよい番組でした。
NHKとBBCが5年の歳月をかけて撮影・制作した
大型自然ドキュメンタリーと宣伝するだけの価値あり。
あれは、NHKでなければできない番組だと思います。


第2集の「淡水に命あふれる」では、水にフォーカスを
あてています。番組中で紹介された南アメリカギアナ高地
(ベネゼエラ)のエンジェルフォールは圧巻。
エンジェルフォールは、全長979メートルの世界最大の落差を
誇る滝です。
その落差たるや、水が下に落ちる前に霧になって
しまうほど。テレビの映像を見ているだけで、目がウルウル
してくるほど、大きなインパクトを受けました。


地球上の水の97%は海水で、淡水は、0.01%しか存在
しません。地球全体の水をビールびん1本分とすると、
淡水は、小さじ一杯分くらいにしかならないのです。
その水が、海まで流れつくと蒸発して、水蒸気となり、雨と
なって地表にふりそそぎ、川となってまた海に帰るというように
絶えず循環して生き物の命を支えているのです。


この大切な水が、今、確実に失われつつあります。
イスラエルの観光地『死海』の水位は、毎年1.2メートル
ずつ下がっているそうです。ここ50年の間に、人口が
4倍の4億人に増え、飲料水、農業用水、工業用水として
川から水をくみ上げているため、死海に水が流れ込まなく
なったために起こっている現象です。


国連の報告によると、地球の人口のほぼ半分にあたる30億人が、
安全できれいな水が日常的に手に入らない状態となっています。
途上国の病気の8割は汚水が原因で、子供は8秒に1人が死ぬほど
悲惨な状態なのです。


その一方で、信じられないような水の使い方をしている例も
あります。たとえば、北京郊外13ヶ所に人口スキー場が存在
しますが、そこで使われる水は380万立方メートル。
北京市民4万2000人の年間の生活用水とほぼ同じ量。
その北京に、年間1000万立方メートルを超す水が、
干ばつに苦しむ隣の河北省から運ばれてくるそうです。
なんだか、おかしな話です。


プラネットアースを見ていると、水がなければ、すべての生き物は
生きていけないことを思い知らされます。
水も環境も、本当に大切にしなければ。