決算短信口座④ 〜貸借対照表〜

 もう、3月になってしまいました。3月末決算の会社が多いので、
それまでに、決算短信口座も一通り完結させたいと考えていたのに、
これで、間に合うのかなあ・・・。とにかく、やります。


 さて、今回は貸借対照表を取り上げます。
貸借対照表(Balance Sheet、B/S<ビーエス>)は、簡単に説明
すると、決算日の会社の財政状態を表した決算書です。
貸借対照表のイメージはこんな感じ。<資産の部>           <負債および資本の部>

 流動資産              流動負債
 現金                支払手形
 受取手形              買掛金
 売掛金               未払金・未払費用
 有価証券              その他
 たな卸資産             固定負債         
 その他               長期借入金
 固定資産              その他
 有形固定資産            負債合計
 建物・建築物      
 機械装置          
 土地                資本金
 その他               法定準備金
 無形固定資産            剰余金
 投資等               資本合計
 投資有価証券
 その他
 資産合計              負債・資本合計


では、貸借対照表の特徴について説明していきましょう。


1.資産の部(左)と負債および資本の部(右)というように、
  左右に分かれていて、1番下部にある合計は、左と右の数字が
  一致するようになっています。左右のバランスが取れている
  ので、バランスシートと言うのです。
  負債・資本の部(右)は、会社の活動資金をどのように調達して
  きたかを示しており、資産の部(左)は、調達してきた資金を
  どのように運用(活用)しているかを示しています。


2.資産の部には、将来的には換金することが可能で、戻ってくる
  お金が載っています。


3.負債・資本の部には、借りたお金(負債の部)と会社があらかじめ
  もっていたお金(資本の部)が載っています。
  負債は、いずれ返さなければならないお金なので、他人資本
  資本は、会社が存続する限り返す必要のないお金なので、自己資本
  ということもあります。


4.バランスシートに載っている項目(例えば、流動資産、流動負債など)
  は上から下へと換金できる時間の順番に掲載されています。
  資産の部では、1番上がすぐに使えるお金(現金)、下にいくに
  つれて換金するのに時間がかかります。
  負債の部では、1番上にあるのは、すぐに返さなければいけないお金
  (支払い手形)、下にいくにつれて、返すまでに時間の余裕がある
  お金です。


5.1年以内に資金化できるか、あるいは資金が社外に流出する資産が
  「流動資産」、1年超の資産は「固定資産」に分類します。
  また、1年以内に返済しなければならない負債が「流動負債」、
  1年超の負債は「固定負債」となります。


6.自己資本は、株主が出資したお金のほかに、会社があげた利益の
  うち、株主への配当金や、役員へのボーナスの支払いなど社外へ
  出て行ったお金以外の余ったお金(剰余金)が毎年入って増えて
  いきます。会社が利益をあげた分だけ、株主の持ち分が増える
  のです。


7.会社が損失を出せば(赤字になれば)、その損をした分だけ、自己
  資本の額が減らされます。損失がふくらんで、自己資本がマイナス
  になってしまった状態を債務超過といいます。債務超過の状態は、
  株主の持ち分が、まったくなくなってしまった状態のことです。


以上が、貸借対照表の概要です。次回は、キャッシュフロー計算書に
ついて、ご説明します。