決算短信口座③ 〜損益計算書〜
かなり間があいてしまいましたが、今日は、損益計算書について
お話します。
損益計算書は、簡単にいってしまうと、1年間の会社の成績表
のことです。前回の収入と支出について思い出してみましょう。
損益計算書〔Prfit Loss Statement → P/L(ピーエル)〕
稼いだお金 = 売上
戻ってこないお金 = 費用
支出せず残ったお金 = 利益
損益計算書の最終的な目的は、利益(支出せず残ったお金)が
いくらあるのかを導きだすことで、
売上 − 費用 = 利益 となります。
損益計算書もこの流れに沿って表記されています。
では、具体的にどんな構成になっているのかみてみましょう。
【損益計算書】
売上高
売上原価
売上総利益 ①
販売費及び一般管理費
営業利益 ②
営業外収益
営業外費用
経常利益 ③
特別利益
特別損失
税金等調整前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
少数株主利益
当期純利益 ④
一部省いた項目もありますが、ざっくりこんな感じです。
ピンクで色づけした利益が、主だった4つの利益。
それでは、4つの利益についてそれぞれみていきましょう。
①売上総利益
売上高 − 売上原価 で求めます。
売上原価というのは、商品・製品の仕入れ原価や製造原価のことです。
サービスの場合は、提供のためにかかった費用。
つまり、売上総利益は、おおざっぱにどれだけの粗利があるかを
見るための利益です。
②営業利益
売上総利益 − 販売費及び一般管理費 で求めます。
販売費及び一般管理費は、製品・商品の販売に使った販売費や
本社活動費のこと。
営業利益は、商売でどれだけの利益があったかを見るための利益です。
③経常利益
営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用 で求めます。
営業外収益というのは、本業以外での儲けを指します。具体的には、
受取り利息(預貯金の利子、貸付金の利子など)、受取り配当金
(株式などの配当金)など
営業外費用というのは、本業以外で支払った費用を指します。
具体的には、支払い利息(短期及び長期借入金に対して支払う利息)
など。
経常利益は、会社の経常的な利益獲得能力がどのくらいあるかを見る
ための利益です。もう少し噛み砕いていうと、会社が普通に企業活動
を行っていてどれだけ儲けることができたかということです。
④当期純利益
経常利益 + 特別利益 − 特別損失 − 税金
特別利益というのは、土地や株の売却など臨時的、一時的に発生
した利益のこと。
特別損失というのは、営業取引と直接関係なく、臨時的に発生した
損失。天災や火災などによって、工場や店舗に被害が発生するなど。
よって、当期純利益は、会社の最終的な儲け。この当期利益が
配当金支払いの減資となるので、投資家にとっては、最も大切な
利益です。
損益計算書の読みこなしについては、改めてご説明をしますが、
有効な活用方法は、「比較」することです。年次ごとに比較をして、
売上や利益がどのくらいのくらい伸びているが、減っているかを
確認します。
また、同業他社と比較してみるのも有効です。
その場合には、単純に数字を比較するだけではなく、売上高のうち、
利益の占める割合は何%かという利益率で比較します。
営業利益率、経常利益率、当期利益率といった具合です。