決算短信口座② 〜決算書3兄弟〜
決算短信の目玉はなんといっても決算書です。
今日は、決算書3兄弟(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー
計算書)について、ご説明します。
決算書というのは、簡単に言うとお金の出入りを記録した
書類です。会社のお金の出入りは、家計と同じで、大きくは、
収入(入ってくるお金)と支出(出ていくお金)に分けられます。
≪収入≫ ①稼いだお金 = 売上
本業での稼ぎ(商品やサービスの売上)
本業以外での稼ぎ(株や不動産の売却)など
②借りたお金 = 負債
銀行からの借り入れ
社債の発行 など
③会社があらかじめ持っていたお金 = 自己資本
株式の発行 など
≪支出≫ ④戻ってこないお金 = 費用
原材料費
人件費(給料、ボーナスなど)
販売促進費
借金の返済 など
⑤後で換金すれば戻ってくるお金 = 資産
土地・建物
預貯金、株、債券
出資金 など
⑥支出せず残ったお金 = 利益
この6つの項目の数字を分けて記録したのが、損益計算書と
貸借対照表です。
損益計算書〔Prfit Loss Statement → P/L(ピーエル)〕
①稼いだお金 = 売上
④戻ってこないお金 = 費用
⑥支出せず残ったお金 = 利益
貸借対照表〔Balance Sheet → B/S(ビーエス)〕
②借りたお金(返さなければいけないお金) = 負債
③会社があらかじめ持っていたお金
(かえさなくてもよいお金) = 自己資本
⑤後で換金すれば戻ってくるお金 = 資産
決算書3兄弟の最後は、キャッシュフロー計算書。各種決算書
を見るときに注意すべき点は、利益=手元にあるキャッシュでは
ないということです。現在の企業会計では「発生主義」というルール
に基づいて、決算書を作成しなければなりません。
どういうことか、わかりやすく説明致します。
会社では、商売において現金をやりとりすることはまれです。
例えばある商品が売れた場合、商品を販売した会社はすぐにお金を
手にするわけではなく、1カ月後、あるいは2ヵ月後など一定の
期間をおいてから現金を受取る「掛け(つけ)」という形をとります。
会計上の利益は、契約が成立した時点で帳簿に計上されます。
これが、「発生主義」です。よって、損益計算書上で利益がたくさん
出ていても、手元のキャッシュは厳しい状態といったことは起こり
えるのです。損益計算書上では黒字なのに、手元のキャッシュが
不足して、商売が立ち行かなくなり倒産してしまうことを、
「黒字倒産」といいます。創業間もない会社などは、こういった
ケースが起こる可能性が高いので、キャッシュフロー計算書をきちん
と確認して、安全性を確かめる必要があるのです。
キャッシュフロー計算書は、資金の発生要因によって3つの項目に
分類されており、それぞれのキャッシュの増減をあらわします。
キャッシュフロー計算書
①営業キャッシュフロー
その企業の本来業務から得られる収支
②投資キャッシュフロー
固定資産(土地や建物など)や有価証券の購入・売却、
資金の貸付・回収などの収支
③財務キャッシュフロー
借入・借入金の返済、社債の発行・償還などの収支
次回は、損益計算書について詳しくご説明致します。