経営者にみる真の優良企業とは

ブログの更新、すっかりご無沙汰してしまって・・・。
ログインする時、おもわずパスワードを忘れてしまいそうに
なりました。


それでは、参ります。本日のお題は、『経営者』です。
12月12付けの「日経ビジネス」で、≪勝ち続ける経営者≫
という特集が組まれています。
調査の概要は、日経平均株価がバブル後最安値をつけた
2003年4月から2005年9月末までの株式時価総額
、2003年度と2004年度の営業利益の増加額、増加率に
機関投資家と一般ビジネスマンによる投票を加点して300点
満点で指標化したランキングです。
結果は・・・・。
 1位  張 富士夫(トヨタ)    296.8
 2位  中村 邦夫(松下)     296.5
 3位  永守 重信(日本電産)   290.8
 4位  カルロス・ゴーン(日産)  290.6
 5位  御手洗 富士夫(キヤノン) 289.6
 6位  堀江 貴文(ライブドア)  286.3
 7位  武田 國男(武田薬品)   285.4
 8位  三木谷 浩史(楽天)    283.9
 9位  井上 雅博(ヤフー)    282.4
10位  小野寺 正(KDDI)   275.9

勝ち組経営者に共通する資質は、主に3つ。
①社内外に対する情報発信力、コミュニケーション能力に
 優れている。
②将来を見通す確かな目。時代の変化を捉えるセンスがある。
③経営者としてブレない軸を持っている。


 ところで、優れた経営者がいる会社は優良企業でしょうか。
まず、経営者のタイプをみてみたいのですが、このランキングを
みると、経営者は大きく2つのタイプに分けられます。
トヨタ、松下、キヤノンのような老舗企業の経営者と
日本電産やライフドア、楽天のような起業家精神あふれる経営者。
たとえば、日本電産の永守社長は、個人で100億円もの借金を
しているそうです。M&Aで会社を大きくしてきた永守社長は、
買収した23社中、上場5社の個人筆頭株主になるため銀行借入で
株を購入しているからです。
後者のような企業は、経営者の世代交代が難しい。強烈なカリスマを
持った経営者のもとでは、なかなか人が育たないからです。


 世代交代がうまくいかずに苦戦を強いられている企業の代表格が
三洋電機。経営権は、創業者の井植歳男→敏→敏雅の3代にリレー
されましたが、うまく機能していません。井植敏氏は、2002年に
幹部候補の新卒採用制度を始め、国内外の枢要な部署を経験させる
などの帝王学授けて、将来の経営幹部を育てようとしました。
しかし、結局は長男の敏雅氏を社長に据えました。そして、変わらない
世襲路線の中で、実力ある役員や幹部は次々に退任。危機感の薄い
経営で、金融や家電、半導体などの不振事業の縮小・撤退が遅れ、
現在のような事態を招いています。


 息長く、確実に成長していく企業が優良企業であるとするなら、
オーナー系の企業、強烈なカリスマ性のある経営者がリーダーシップ
をとる企業は、そのカテゴリーに入らない場合もあります。決算短信
などのリスク情報で、「経営者への過度な依存」という表示をよく
目にしますが、その経営者がいなくなったあとはどうなるのか?
50年も100年も確実に成長を続けていく真の優良企業は、
事業継承がうまくいくことが、絶対条件なのです。