地味銘柄に注目
本日付け日経金融新聞の1面に非常に興味深い
ランキングがのっていました。
「2000年以降上場 株価上昇率ランキング」。
つまり、2000年以降、新規上場した銘柄の初値から
現在に至までの株価の上昇率の高い銘柄を順番にランキング
したものです。
ランキングは以下の通り。
会社名 事業内容 倍
1.ポイント 水戸の女性衣料 58.53
2.住友チタニウム チタン最大手 23.83
3.テレウェイヴ 中小に営業支援 23.77
4.フージャース M、首都圏郊外で 23.77
5.サンシティ M、東北地盤 21.80
6.原弘産 M、山口地盤 20.49
7.T&Gニーズ 結婚式企画運営 19.84
8.アネストワン M、首都圏郊外で 19.43
9.フォーサイド 携帯コンテンツ 17.14
10.エンジャパン ネット求人広告 12.90
ここまでがベスト10。ちなみに、Mはマンションの略です。
実際のデータではベスト100までのっています。
さて、このランキングからどのような傾向が読み取れるで
しょうか。
①知名度の高くない地味な銘柄が多い
ネット系のはでな銘柄が入っていないのが特徴です。
ネット系の銘柄は期待値が高く、初値はどうしても割高に
なりがち。これらの銘柄が最初、いかに地味にスタートしたか
ということを裏付けるために、初値当初のPERを調べて
みました。ちなみに、PERとは株価収益率のことで、
株価÷1株あたり当期利益 で求めます。
数字が低いほど、株価は割安。以下がランキング5位までのPER。
ポイント 6.8倍
住友チタニウム 13倍
テレウェイヴ 5.6倍
フージャース 7.7倍
サンシティ 3.7倍
知名度の高いネット系の新規公開銘柄は100倍を超えることが
ざらにあるなかで、なんともささやかに生まれています。
まさに、「小さく生んで、大きく育てる」です。
②地方企業が多い
地方企業にも地味な銘柄が多いですよね。しかし、メジャーで
ないだけに、独自のビジネスモデルや高い技術を持っていれば、
株価が業績を後追いします。つまり、まず業績の数字が目立ち、
それから利益の構造が理解されて、株価が上昇するというパターン。
③不動産関連株
首都圏の不動産市況の底打ちの時期にあたり、またマンション
ブームも到来したことで、不動産関連会社の株価も大きく上昇。
以上まとめてみると、新規上場銘柄選びのヒントは、
1.地味な銘柄
2.独自のビジネスモデル、高い技術力を持った銘柄
3.時流にのった銘柄
IPOしたての銘柄で、PERが低いものは、事業内容や利益の
構造を徹底的に調べて見る価値がありますね。
人気銘柄に飛びつくより、価値のある銘柄にぶつかるかも。