不思議な株式市場

このところのマーケット、熱くなりすぎです。
おかしな現象が散見されます。
村上ファンドの株式保有状況で株価乱高下
【TBS】
10月14日 「9月末でTBS株7.45%保有」と発表
11月15日 10月末時点で0.52%まで減少と発表
       株価は前日比80円安の3220円まで下げる
11月16日 村上ファンドがTBSに対して6%保有を伝えた
       との報道。株価は朝方20円高の3240円まで
       上昇。その後取得の経緯や事実関係がはっきりせず
       終値は前日比変わらず。
松坂屋
11月14日 「8月末時点で松坂屋株を3.21%保有し第4位
       株主に。」と報道。15日の株価は急騰し、前日比
       100円高ストップ高)の1011円に。

ダイナシティ
11月15日 10月31日までに保有していたダイナシティ
       を全株売却したと報道される。
       前日比2900円安の3万2350円に下落。
11月16日 株価はさらに下落を続け、前日比350円安の
       32000円に。わずか2日で9.2%も下落。
今週の動きをみてもこんな感じです。なんか、おかしくないですか?
村上ファンドが買っているから買う、村上ファンドが売っているから
売る。ポリシーなさすぎです。結局、1番得をしているのは村上
ファンドということか。


三菱自動車株の乱高下
11月11日に三菱自動車ダイムラークライスラー資本提携
解消を受けて、14日の株式市場で三菱自動車株が急落。
終値は、前週末比37円安の262円。1日で12%も下落
しています。ダイムラーから三菱自動車株を購入し、海外の
機関投資家に分散して売却したゴールドマンが利益を得たという
観測もあります。こんないわくつきの三菱自動車が、16日には、
目先のリバウンド期待が高まったとして買いを集め、前日比
23円高の257円となりました。
でも、よく考えてみると・・・。
三菱自動車の2006年3月期の当期利益は640億円の赤字予想。
時価総額は1兆1300億円弱。
一方、同業のマツダの同当期利益は550億円の黒字予想。
時価総額は6800億円弱。
赤字の会社の時価総額が黒字の会社の時価総額の2倍??????
なんかおかしくないですか?
まだあります。三菱自動車は過去に大量の優先株を発行していますが、
これが普通株に転換されると、現在約44億株の発行済み株式数が
約80億株に増えてしまいます。つまり1株あたり利益が現在の
半分になってしまうということ。信用買い残も増えているし。
モルガン・スタンレー証券など3社のあげている三菱自動車株の
目標株価平均は60円強。このような目標株価をあげて、テレビで
三菱自動車株の解説をしていたアナリストが三菱自動車をターゲット
としている投機家から大バッシングを受けたという話も何週間か前
に聞いています。


相場を活性化するという役割を担う投機家は、もちろんマーケットに
必要な存在ですが、ここまでポリシーを持たずに値動きのよさだけで
売買を繰り返す投機行動はいかがなものでしょう?プロの投機家なら
それもありでしょうが、にわか投機家もかなり存在するはず。
株価は業績を映す鏡であることをもう1度考えて見る必要があるのでは。