ダイエーの試練

ダイエーが試練の時を迎えています。10月6日のブログで、
ダイエーの経営が、具体的な数字や成果が求められる段階に
入ったという話を書きましたが、まずは厳しい結果が出ています。
昨日発表された10月の既存店売上高は前年同月比10%のマイナス。
既存店の前年割れは20ヶ月連続で、2ケタ減収は今年の3月
以来7ヶ月ぶりです。前日の14日に、管理職全員の冬の賞与を
前年の支給額に比べて3割減らす方針を発表しています。
また会長、社長を含む取締役と執行役も役員報酬の4−5割を
返上するそうです。人件費を抑えて収益減を補うとのこと。


今月に入ってからのダイエーに関するニュースは厳しい報道が目立って
います。例えば、こんな感じです。
大幅なリストラで、ベテランのバイヤーが退職してしまい、
それまではメーカーや卸に対して大きな力をもっていたダイエー
調達部門は、今や「素人集団」になり下がってしまった。
こんなのもあります。あるアパレルメーカー幹部は、「商談相手は
こちらの言いなり。商売しやすくなった。」と語っている。
まだまだあります。食品は自社で強化し、衣料、住関連は、
外部専門店の力を積極的に活用する方針。しかし、衣料品について、
どこまで外部に委ねるのか、全部なのか、一部なのか社内でも
固まっていないうえに、テナントとの出店交渉にも手間取っている模様。


そして、昨日の既存店不振。株価は14日の終値3090円から、
8.9%下落して2815円となりました。さらに本日も値下がり
継続。10時過ぎ現在で2640円の安値をつけており、2日で
約15%も下がった計算。
今の段階でダイエーはだめと結論づけるのはまだ早いと思います。
確かに、再生機構の支援期限は残りがあと2年。ダイエーは、
この2年間で結果を出さなければなりません。
少しだけ明るい材料としては、ダイエーが強化している食品部門が
好調のモデル店があります。大阪府千里中央店。9月末に改装
したのですが、総菜などが好調で、ここ1ヶ月の売上高は前年比
2ケタ増のペースで推移しているそうです。お店の改装は始まった
ばかり。時間は限られているものの、今後、事業見直しの効果が
あらわれてくるのかどうか、もう少しウォッチが必要だと思います。