ソネット・エムスリー情報

本日の話題は、ソネット・エムスリーの続報です。
10月17日付けのニュースで、万有製薬が21社目の
契約製薬会社となりました。このニュースでの注目点は、
万有製薬の親会社メルクの男性用脱毛症治療薬「プロペシア
を「MR君」を使って情報提供することです。「プロペシア
は国内で初めて売り出す新薬です。「MR君」を利用する
製薬会社は、すでに発売済みの薬をマーケティングの対象と
してきました。収益の柱となる新薬については、訪問営業を
かけていたのですが、発売当初から「MR君」を利用するのは、
この万有製薬が初めてです。それだけ、「MR君」の価値が
あがってきているということ。


現在、ソネット・エムスリーには競合他社がいません。
2000年から事業を開始していますが、02年に類似の
サービスを手がけていたソフトバンク系のウェブエムディから
事業を買収し、自らライバルを吸収してしまいました。
つまり、消費者独占型企業です。消費者独占型企業は、
オンリーワンのサービスを提供しているので、価格の決定権
を握っています。製薬業界は今や競争の激しいマーケットと
なっており、1円でも多くコストを削減し、その分を新薬の
研究や開発にまわさなければならないという厳しい台所事情
をかかえています。そのような環境下で、ソネット・エムスリー
は、新規契約の基本料金を10月から年間6000万 →
7000万へと1000万円、値上げをしています。それでも、
契約はとれるのです。これこそ、消費者独占型企業の強みです。
製薬会社にとってみれば、医薬品情報の提供を訪問営業で
やるより、ネットで代行してもらった方が安くてすむわけ
ですから、winーwin の関係ですよね。
期末には累計契約会社が25社程度と前期末比7社前後増える見通し。
谷村社長いわく、「1品目のみの利用だった製薬会社が、もう1品目
増やすなどの事例も多い。」
たびたび、お話してきましたが、やはり、2006年3月期の
売上、利益の見通しはかなり保守的と言わざるを得ません。
エムスリーでは、将来的な契約企業数のめどを50−60社
とみているそうです。とらぬたぬきのなんとやらですが、
今21社の契約でしょ、60社まで増えたとして、あと39社。
1社の基本料金が7000万だから、27億3000万円。


それからもう1つ新しい情報。「QOL君」については以前
ご説明しましたが、現在、プライベートバンキングサービスなどの
金融商品や旅行、自動車など10社程度と契約交渉を行っている
模様。料金は実際の販売実績によって変動させる制度を検討
しているようです。エムスリーの会員医師は40−50歳代が
多く勤務医と開業医の比率は2:1。高額商品を扱う企業に
とっては、まさにど真ん中にマーケティングをかけられるうえに、
ネットを利用するのでコストも安い。成功事例が多く出でくれば、
契約企業も増えていきそうですね。
調べれば調べるほど、おもしろい話がでてきます。


ここから先は、まゆつばで聞いて下さい。
総合ネットサービスの先駆者といえば、ヤフー。
ヤフーは、1997年11月ジャスダックに株式を公開し、
その後2003年10月に東証1部に上場替えしています。
公開時の株価と現在の株価を比較すると、実質350倍。
2004年4月の最高値で計算すると約480倍。
エムスリーという会社は、ヤフーを彷彿させませんか。