世界に類を見ないサービスを提供する会社

ソネット・エムスリーが2005年9月期の連結業績予想
を増額修正してきました。
業績予想を公表した企業は、売上高で1割、経常利益で2割、
純利益で3割以上数字がぶれた場合には、速やかに予想を修正
し、発表しなければならないことになっています。
ソネット・エムスリーは、売上高で13.7%、
経常利益で22.2%、純利益で21.5%上方修正したため、
これを受けての増額修正発表となりました。
「MR君」を利用している製薬会社は、基本料金+情報送信頻度
に応じた利用料金をソネット・エムスリーに支払う仕組みに
なっています。今中間期では、「MR君」の稼働率があがり、
後者の従量制の部分の料金がアップしたことが、増額修正の
主因となりました。
背景は、医師会員数が今中間期に1.6万人増加して、
11.3万に増えたこと、「MR君」のマーケティング効果が
高いので、1社あたりの情報送信頻度が上昇傾向にあることが
あげられます。
会員医師のコンテンツに対する満足度が高いことが、ソネット
エムスリーの1番の強みであることが裏付けられた格好となって
います。


2006年3月期通期の増額修正については、中間期の修正幅を
加算した程度に留めています。これは、かなり保守的です。
思い出してみてくださいね。韓国医師86%を会員にもつ
メディ・シーアンドシーを連結子会社とし、2006年年明け
から「MR君」のサービスを開始します。
米国医師50%を会員にもつメディサイト社と業務提携し、
2006年春から同サービスを開始します。
9月11日から、医師向けのライフサポートコンテンツを
提供する「QOL君」というサービスがスタートしています。
この料金システムも「MR君」同様、基本料金7000万円
+メール配信料(40万通で4000万円)となっています。
1社と契約すれば、最低1億の売上になるのです。
これらのサービスは当然のことながら、今回の増額修正には
不確定要素としてカウントされていません。
特に「QOL君」は、「MR君」に次ぐサービスの柱に育てて
いこうとの会社側の思惑がありますので、下半期にどの程度
売上に寄与してくるか、楽しみなところです。


「QOL君」というコンテンツも、かなり計算されたものです。
ソネット・エムスリーでは、「医療情報以外に『MR君』上でほしい
情報は?」というアンケート調査を医師会員に行っており、
「法律」(75%)、「旅行」(41%)、「経営」(37%)
という結果を得ています。
この結果をすぐに反映させて、「QOL君」という別メニューで
提供してしまうところがネットビジネスの強みです。
考えてみれば、このようなアンケート調査のデータも医師を
ターゲットとするビジネスを展開する企業には、お金を払ってでも
ほしい情報ですよね。またまた、新しいビジネスの展開が生まれそう。


10月7日に新光証券が新規にカバレッジを始めたとのニュース
が流れました。このフレーズが気に入りました。
「世界に類を見ない医療関連マーケティング活動支援企業」
米国や韓国で「MR君」のビジネスが成功すれば、ヨーロッパや
アジアなど世界中で利用されるようになるかもしれない・・・。
いやいや、すぐ夢を膨らませてしまうのが悪い癖です。
冷静に、慎重に、今後の展開を見守っていきましょう。