酔芙蓉

私の家の近くに、みごとな酔芙蓉の木があります。
今、ちょうど花を咲かせているのですが、毎日行き帰りに
この花を見るのが楽しみです。
この花、時間の経過とともに花の色を変化させていきます。
朝、花が咲き始めるころは白、昼間は淡い紅色、そして夕方は
紅色に変わります。
名前のとおり、まるで少しずつお酒に酔っていくように。
白い花を咲かせている時間に通りかかると、足元に前日開花して
散ってしまったお花がたくさん落ちています。
その紅色と真っ白な花を対比してみると、あまりの色の違いに
同じ花なのかと疑ってしまうほど。
本当に不思議な花です。


マーケットの世界の変化率は、不思議を通りこして、唖然という
感じ。東京証券取引所第一部で13日、売買高が20億株超と
なる日数が年初来で18日と、年間の最高記録を更新しました。
外国人買いもさることながら、驚くべきは、個人投資家
超高速回転商いです。
日経金融新聞に売買回転率の高い銘柄のランキングが掲載
されています。これは、年初からの累積売買高を9月13日時点
の発行済み株数で割った値をランキングしたものですが、
ランキングのトップは、東都水産という株です。
売買回転率は2313%。
この会社の発行済み株数が4026万株ですが、9ヶ月の
間にこの株が23回転したことを表わしています。
もう少し詳しくみてみると、市場で主に売買されている浮動株が、
約1200万株なので、実質的には77回転ということになります。
ちなみに、トヨタで同じ計算をしてみると、178.5%
つまり、1回転です。東都水産の発行済み株数が極端に少ない
ということを考慮しても、この回転率の異常さがおわかり
頂けますよね。


株価は本来、時間の経過とともに企業の成長を織り込んで
上昇していくものなのに、こういう売買はやはり、とても
不自然です。
酔芙蓉の花のように、ゆったりと時間の流れを楽しんで、
時間に逆らわない投資方法が、私は好きだな。