弾み車

5月25日のブログ「劇的な転換はゆっくり進む」で、
ご紹介した弾み車の比喩を今、ゆっくりと噛み締めています。

『巨大な弾み車があったとします。金属性の巨大な輪で、水平に

取り付けられていて中心に軸がある。直径は10メートルほど、

厚さは60センチほど、重さは2トンある。

必死になって押すと、弾み車が何センチか動く。動いているのか

どうか、分からないほどゆっくりした回転だ。それでも押し続けると

2時間か3時間がたって、ようやく弾み車が一回転する。

押し続ける。回転が少し速くなる。力を出し続ける。ようやく

2回転目が終わる。3回転、4回転・・・10回転。勢いがついてくる。

20回転、30回転、・・・100回転。

そしてどこかで突破段階に入る。勢いが勢いを呼ぶようになり、

回転がどんどん速くなる。弾み車の重さが逆に有利になる。一回転目

より強い力で押しているわけではないのに、速さがどんどん

増していく。どの回転もそれまでの努力によるものであり、

努力の積み重ねによって加速度的に回転が速まっていく。

そのうち、止めようがないほどの勢いになる。』

この頃、「私は、こういうことをするんだ。」という目標を持って、
はりきって動いていたのですが、なかなか、それが結果としてあらわて
きませんでした。
時々、おもいっきりへこんで、「やっぱりだめかなあ。」なんて
思うこともたくさんあったのですが、そんな時は、この弾み車の
の文を読み返しました。
今はまだ目には見えないけれど、絶対にエネルギーが積み
あがってきていて、いつか目に見える形になると、
弾み車さんに勇気をもらいましたよ。


あれから3ヶ月がたって、最近明らかに回転の速度があがってきた
のを感じています。回転の速度があがってくると、いろいろなこと
がシンプルになってきます。自分の進むべき道や軸がはっきり
してくるので、あれこれ悩まなくてすむのです。
そして人との出会いも、自分の進んでいる方向にふさわしい人と
出会うから不思議。
また、“いいこと”はいつも幸運とは限らないということも実感
しています。
あのソニーの「AIBO」の開発責任者をつとめたた天外伺朗さんが
「不幸をまとった幸運」という話を本の中で書いていますが、
一見不幸だと思われるような事象も、あとから振り返って、俯瞰
してみると、ラッキーなことだったとわかる。そんなことも実感
しています。
今、自分に戒めているのは、回転のスピードがあがってきたこと
を自覚することです。いろいろなチャンスが次々にやってくるのですが、
これと思ったものは逃さないこと。
また、自分にとって大切なことには、必ず、進めのサインがなにか
の形であらわれてきます。
たぶん、以前はそういうサインがわからなかったので、回転のスピードが
あがってきた時に特有のセンスなのかもしれません。


今、自分が体験していることを考えてみて思ったのですが、会社の
成長も同じですよね。 
“会社にも人格がある。人に生き様があるように
会社にも生き様があるのだなあ”と思いました。
こんな視点で、会社をみたらおもしろいかも。
自分と同じような生き様をしている会社はどこ?とかね。


ともかく大切なことは、なにか目標を達成しようと思ったら、
同じ方向に力を加え続けることだと思います。途中でやめたり、
別の方向に力を加えると、いつまでたっても弾み車はまわりません。
もうあと一押しで、回転速度に弾みがつくところまできているのに、
途中でやめてはもったいないですよ。