水、水、水・・・・

30日付けの日経新聞の1面に、「サントリー、ビール生産25%
節水」という見出しが目に入り、関連記事を読んでみました。
サントリーのほかにもシャープやルネサステクノロジーなどの
半導体や液晶業界の取り組みも紹介されていました。


超LSIや液晶用ディスプレイの製造には溶剤などを洗い流す
超純水という全くまじりもののない純度100%に近い水が必要です。
驚くべきはその使用量。シャープの亀山工場の水の使用量は、
1日約9000トン。約4万5000人の住民が1日に使う水量に
相当するそうです。それを、今まで使い捨てにしていた・・・。
ようやくそれを、完全再利用するシステムを導入したそうです。
この水処理業務を引き受けているのが栗田工業。総合水処理の
最大手です。地味な会社ですが、確実に成長してきています。
四季報予想によると、2004年〜2007年の売上は、
年8%〜10%弱とコンスタントに成長。
営業利益も2ケタで伸びています。
半導体向けの純粋製造装置に強いのがオルガノ


ところで、「仮想水」という言葉をご存知ですか。
日本は大量の野菜、穀物、肉などを輸入にしています。
これらの農産物や畜産物を育てるには大量の水が必要です。
日本は、肉や穀物を輸入している国の水資源を間接的に
消費していることになるのです。このように間接的に輸入し
消費している水のことを「仮想水」とよんでいます。
実は日本が輸入している、この「仮想水」の量が半端じゃないのです。


総合地球環境学研究所の沖大幹助教授が、東京大学生産技術の
グループと試算した結果によると年間640億㎥。
その内訳は、
農産物  年間404億㎥
畜産物  年間223億㎥
工業製品 年間12.8億㎥
ちなみに、国土交通省の土地・水資源局水資源部が2003年8月に
発表した『日本の水資源』によると、2000年の水使用量は、
全国で年間870億㎥。
その内訳は、
生活用水 年間164億㎥
工業用水 年間134億㎥
農業用水 年間572億㎥
日本は実際に使用した総水量のおよそ73%の量の仮想水を、
輸入していることになります。
もし、この仮想水に税金がかけられたらどうなるのでしょう・・・。


食糧不足もさることながら、水の問題はかなり深刻です。
水を大切に使う、きれいな水を取り戻す、環境破壊を食い止める、
食料自給率をあげる、すぐにでも取りくまなければならない問題が
たくさんあるはずなのに。
政治の世界はもっぱら郵政民営化なのでしょうか・・・・・。


水の問題に関心のある方は、
「ウォーターマネー 石油から水へ世界覇権戦争」
浜田 和幸著  光文社ペーパーバックス
が参考になりますよ。