ブルー・オーシャン

ご無沙汰しております。
久しぶりにブログを更新させて頂きます。


さて今日は、中長期で保有することが可能な銘柄をどうやって選ぶか
という、銘柄選びの着眼点についてちょろっと書いてみたいと思います。
私が銘柄を選ぶとき、最も重要視しているのは、「消費者独占型企業」
であるかどうかということです。
「消費者独占型企業」というのは、かのウォーレン・バフェット氏が、
銘柄を選ぶときに最も大切にしているポイントです。
「消費者独占型企業」というのは、『その会社からでなければ買えない
商品、サービスや技術を提供しており、競合他社があらわれない
参入障壁の高いビジネスを展開している企業』のことです。


最近、ビジネス書部門でベストセラーになっている
「ブルー・オーシャン戦略」
W・チャン・キム+レネ・モボルニュ
ランダムハウス講談社
に、消費者独占型企業がターゲットとするマーケットのこと
を海にたとえて、視覚的に表現しています。


ある会社が画期的な商品を売り出したとします。最初、そのマーケットは
競合他社がいないので、利益を独占。急成長を遂げます。しかし、
儲かるとわかれば、似たような商品をひっさげて次々に競合他社が
参入してきます。やがて、その商品のマーケットでは、限られたパイを
巡って熾烈な競争が繰り広げられ、利益や成長の見通しが厳しくなって
いきます。美しかった海が、赤い血潮に染まっていき、そのマーケットは
「レッド・オーシャン」と化してしまう。
ハンバーガー市場、カジュアル衣料品市場、AV機器市場などが
これにあたりますね。先行者メリットを得ていたマクドナルドや
ファーストリテイリングソニーは現在、苦戦を強いられています。


一方、未だ生まれていない市場を開拓すれば、企業は新たな需要を堀り
起こそうとするため、競合他社と争うことなく、ゆうゆうと利益を
独占できることになるのです。このような市場を、「ブルー・オーシャン」
と呼んでいます。

ブルーオーシャン」という未開拓の市場は突然変異で出現するわけ
ではありません。むしろ、既存のビジネスの延長上、企業の進化の
途上で発生することが多いようです。
たとえば以前、ブログでご紹介したピジョン
世の中の流れは少子化ですから、ベビー用品を扱っているビジョンは、
「レッド・オーシャン」に位置する企業です。
しかし、少子化という問題をちょっとだけ視点をずらして考えてみれば、
「子供が生みやすくなるように、おかあさんのサポートをしてあげれ
ばよい。」という発想がでてきます。そして、子育て支援事業に
進出し、託児所や、国立病院内に保育所を作りました。
そして、中国や米国、ヨーロッパにもその市場を開拓しています。
また、ベビー用品の延長上で介護用品も扱っています。


今の時代、時間がものすごく早く流れています。1985年に出版
された「会社の寿命」(日経ビジネス社編纂)では、企業が繁栄を
謳歌できる時間、つまり会社の寿命を30年としていますが、
現在では15年、2010年には10年になるという予測もあります。
中長期投資の対象となる銘柄は息の長い成長が見込める企業でなく
てはなりません。そのキーワードは、「進化」だと思います。
商品や技術やサービスのライフサイクルも短くなっている現在、
一度「ブルー・オーシャン」を開拓しても、永遠に消費者独占型企業
であり続ける保証などどこにもありません。
環境の変化に対応して進化を繰り返していけるかが重要です。
そうすると、やはり小回りのきく中小型株の方がおもしろいのよね。


恐竜さんのように巨大な企業と化したトヨタダイエー
進化を試みようとしています。
高級車部門では、圧倒的に外車優位の国内マーケットに
海外でブランドを構築してきた「レクサス」を引っさげて、
切り込んできたトヨタ
中内色を排除し、異色の会長と社長を移植したダイエー
巨大な恐竜は進化を遂げて、生き残ることができるのか。