たいせつなともだち

私には大学時代、苦楽を共にしてきた7人の大切な仲間がいます。
その大切な仲間の1人が亡くなりました。
彼はブログをやっていた。
彼のブログは7月26日でとまっています・・・。


今年5月の連休中、彼は遠方から私たちに会いにきてく
れました。その時は、私を含めて4人しか集まれなかった。
彼は自分の心の中をあまり語らない人でした。
ブログは彼の心のつぶやきです。
私たちに会った翌日、彼は「たいせつなともだち」
というタイトルの日記を残しています。
短くて、飾らない言葉の中に、彼の優しさや私たちへの
思いがあふれている日記でした。
友達思いの彼らしい。
彼の日記はこう締めくくられています。


次回は夏に会いましょう。
みなさんお元気で。


なんの変哲もない結びのあいさつだったのです。
でも、今はそのときとは違う意味をもつ言葉になって
しまいました。


彼が亡くなった日、私はある店の前を通りかかりました。
めったに通る場所でなく、その日たまたまそこを通り
かかったのです。私は、その店の前で立ち止まりました。
その店は、私たち仲間にとって思い出の場所だったから。
彼が体を壊して実家に帰ることになった時、8人全員が
集まったお店だったのです。
京都から来た仲間、子育て中のおかあさん、そして忙しく
働く仲間たちが時間の都合をつけてそのお店に集まり、
卒業後初めて8人全員が顔をそろえたのです。
あの店を予約して、みんなを集めたのは彼だった。
なつかしいなあと思いながら、空を見上げたら、大きな大きな
満月が手が届きそうなくらい近いところで、輝いていました。
このところ、曇り空が多く月や星が見えずらかったのですが、
その日は風が強くて、雲1つない空にあまりにもみごとに
お月様がぽかりと浮かんでいたのです。
都会でもこんなにきれいにお月様が見えるんだなあと、不思議
な感動を覚えました。


その翌日の朝、私は彼が亡くなったのを知ったのです。


仲間のなかでブログをやっているのは、私だけ。
ブログ好きの彼が、「完璧なねたでしょ。提供したんだから、
ブログに書いてよね。」って、いたずらっ子のようにニヤッと笑って
語りかけているような気がしてなりません。


私たちはこれからもずっと、ずっと「たいせつなともだち」
だからね。