グロソブ

またまた、お久しぶりの更新になってしまいました。
8月になったら、ちょっとは、落ち着くのだろうか・・・。

さて、今日は投信の話題です。
このところ、高配当利回りで運用する投資信託や、
外債で運用する毎月分配型投信が大流行です。
4月のペイオフ全面解禁、銀行での投信販売好調とくれば、
貯蓄に近いタイプの投資信託にお金が流れるのも納得です。
この手の投信の中でも、特に、マンモス中のマンモスが、
グローバル・ソブリン・オープン」(国際投信投資顧問)。
7月21日時点での純資産残高は4兆5000億円。
国債券で運用する毎月分配型の投資信託です。
ちなみに、毎月分配型投信の7月20日時点での、残高は、
13兆4000億円強ですから、グロソブは、約3分の1を
占めている計算になります。こわっ。

グロソブをもうちょっと詳しくみていくと・・・。
外債ファンドの運用成績が向上する条件は、
①外債の利息が増える ②外債の価格が上昇する 
③投資先の通貨が上昇する。
グロソブの約6%の利回りのうち、債券の利息収入で賄えて
いるのは約3%強。あとは、債券の値上がり益や為替差益で
補った計算になるそうです。
大和総研によると、為替が現状のままで世界の金利
1%上昇すると、グロソブの基準価格が約5%下落すると試算
しています。
グロソブのリスクは世界の金利上昇。
現在、世界は金利低下傾向にあります。特に米国。FRBは、
FF金利を引き上げているにもかかわらず、金利は低下傾向。
背景は、財務リストラで一服した企業が、キャッシュリッチの
状態になっており、今のところ、借入の必要性がないことと、
アジアや東欧などの新興諸国の過剰貯蓄がアメリカに流れこんで
いることが主な理由のようです。
しかし、原油価格は高止まりしており、インフレのリスクは常に
つきまとう。金利上昇に反転したら、グロソブはどうなるのだろう。
毎月の分配金をどうやって工面するのだろう。


投信については、「大きいことはいいことだ」とは限りません。
2003年に野村証券鳴り物入りで募集した「ノムラ戦略株ファンド」
別名1兆円ファンド。マンモスファンドが故に、機動的な運用ができず、
現在の基準価格は、6200円くらいに沈んでいます。(募集は1口
10000円)
グロソブは4兆円を超えるファンド。しかも、投資対象が株式より、
流動性(換金性)に劣る債券です。
さらに、グロソブは、地銀や信金などの地域金融機関をはじめとする
多くの機関投資家保有しています。
1度に大量の売り注文がでたらどうなるのか。
あまり考えたくないけれど、こわい・・・・・。
このあたりのリスクを理解して、購入している個人投資家はどのくらい
いるのでしょう。保有者は、高齢の方が多いと聞きますが、
ますます心配です。
投資の世界では、多くの人が一斉に同じような行動をとりだすと、
ピークを迎えることが常ですので、注意したいですね。