小売業界いろいろ

今朝の日経新聞に、夏のボーナスの支給額が2年連続して、
過去最高を更新とありました。
6月の日銀短観でも、個人消費が確実にのびてきていると
していました。
財務の水ぶくれに苦しんでいた企業が、ようやく、
設備・雇用・債務の3つの過剰を解消し、身軽になり、
従業員のお給料にもその好影響が出始めたようです。
ふところが暖かくなってくれば、買い物をしたくなる。
小売業界にとっては、よい話です。


どの業界でもそうですが、小売業界も二極化が進んでいます。
規模の追及か、ニッチを狙った独自のサービスか。
規模の追及については、“1兆円”がキーワードのようです。
ファーストリテイリングは、柳井会長が、社長に復帰しました。
そして、2010年の売上高目標1兆円をかがげています。
また、郊外型商圏を巡って、大手ホームセンター3社、
ホーマック、カーマ、ダイキが共同持ち株会社を設立して、
売上高1兆円を目指すとしています。
規模の追及を目指す小売店は、年商1兆円が、生き残りの
条件となってきそうです。


一方、その対極に位置するのが、規模は小さくても、地域に
密着して、独自のサービスで生き残っていこうとする小売店
以前にご紹介した、岡山県に地盤をおく、大黒天物産
今期の売上高の見通しは、416億と、1兆円から比べたら、
わずかな金額ですが、毎年、最高益を更新し、今伸び盛りの
会社です。
アークランドサカモトというホームセンターもおもしろい。
新潟に地盤をおいており、今期の売上高見通しは、900億円。
売上の規模をみると、大黒天より、ちょっとだけ、お兄さんです。
店舗のスケールは巨大店舗なのですが、効率経営を目指すのでは
なく、超地域密着型。一店舗、一店舗、その地域にあった、
独自の特色をもっているのです。品揃えがユニークで、切花、
建築資材、建築金物、大型機械といったように、他の競合店では
扱わないような商品を揃え、差別化をはかり、粗利を高めています。
出店のペースも、巨大店舗のため、年に1・2店舗。
商圏人口の少ない地方で勝ち抜くための“知恵”はすごい。
このような地方発のユニークなお店から、ヤマダ電機のように、
全国展開していく店が生まれてくるのでしょう。
地方の地味な小売業の研究をすることは、“金のたまご
を見つけ出すのが大好きな人には、たまらなく楽しい作業です。
旅行に行ったときに、ユニークなサービスをしている地方の
お店を見つけてくるのは、“金のたまご”を見つけるためのよい
ヒントになりそうです。