第5水準のリーダー

「ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則」読みました。
参考になる話、満載で赤線を引きまくってしまいました。
①は偉大な企業が、永続する卓越した企業になるための法則を
まとめたもの。それに対して、②は、既存の企業や
ベンチャー企業が偉大な企業へ飛躍するための法則がまとめられ
ているので、より、身近な話として、現実感あります。


本書のすべてが、興味深かったのですが、その中でも
特に関心を持ったのが「第5水準のリーダー」について。
よい企業から偉大な企業への変化の過程での第1歩は、
すぐれた経営幹部の存在だそうです。
一般にカリスマ経営者と呼ばれる経営者は、あまりにも傑出した
存在であり、ワンマン経営に陥りがちで、後継者教育に失敗する
というケースがよくあります。
このような経営者を本書では「第4水準のリーダー」と定義
しとおり、偉大な企業へ飛躍するための経営者としては、ちょっと
役不足
「第5水準のリーダー」は、個人としての謙虚さと職業人
としての意思の強さという矛盾した正確をあわせもっていると
しています。つまり、野心的であるのは確かですが、野心は、
個人の富や名声にむけられているわけではなく、何よりも会社
に向けられているのです。
謙虚で、控えめで飾らず、対外的にはあまり目立たない経緯者の
中にこのような「第5水準のリーダー」がいるのかもしれません。


投資を考える場合、経営者の資質はとても重要です。
5月14日付けに日経新聞に逆境に強い会社というコラムが
ありました。
バブルのピークである1989年末に日経平均が最高値を付けて
から約15年が経ちました。日経平均株価は、現在も、当時を
7割強も下回ったままですが、この間に時価総額を伸ばした逆境
に強い会社もたくさんあり、そのランキングを見てみると、
オーナー系企業が多く見受けられます。
独創的で、指導力のある経営者の手腕によるところが大きい
ということでなのでしょう。
ちなみに、どんな会社があるのか。1位の日本電産は、
現在の時価総額を、1989年末と比較して8.6倍に増やして
います。ご存知永守重信社長は、積極的な企業買収で、日本電産
を大きく成長させました。永守社長は、買収先の企業が赤字で
あっても人員削減などはせず、徹底的に永守イズムを植え付け、
従業員の意識改革を行い、いつのまにかやる気のある利益の
出せる会社に変えてしまう手腕の持ち主です。3位ローム
6位しまむら、7位キーエンス、10HOYA、14ニッセン、
16位、有沢製作所、23位ユニチャーム、28位ナムコ
29位東京精密と、オーナー系企業が続きます。
さて、この中に「第5水準のリーダー」は何人いるのでしょう。
私の好きな会社が結構入っていますが、おもしろそうだから、
ちょっと調べてみよう。
個人的に、有沢製作所が気になります。