30年サイクル

1985年に日経ビジネス社が編集した「会社の寿命」と
いう本によると、企業が繁栄を謳歌できる期間、つまり、
“会社の寿命”は、平均わずか30年にすぎないということです。
しかし、現在では15年、2010年には10年まで短命化
するという予測もあるそうです。


この30年や15年という長期のサイクルで、企業経営を
の流れをみてみると、結構おもしろいかもしれません。
19日付の日経金融新聞に、“スズキ・ショックの教訓”と
いう記事がでていましたが、このスズキの歴史の中に、
30年サイクルが機能しています。スズキの創業は1920年。
ちょうど、30年経過した1950年に国内で最大規模ともいわれた
労働争議に見舞われて、倒産の瀬戸際に追い込まれたそうです。
2度目の危機は、25年後の75年。排ガス規制への対応に
失敗して、緊急避難的に他社からエンジンの供給を受けることで、
なんとかのりきることができました。
そして、2度目の危機から30年目の2005年、
予想以上に車が売れて、設備の生産能力が限界に達し、今後、
5年で総額1兆円という空前の投資拡大策を打ち出しました。
その結果、発表当日とその翌日で、スズキの株価は10%も
急落し、2日間で約1000億円の時価総額が吹き飛んでしまった
計算となり、“スズキ・ショック”と命名されました。


こんな例もあります。
2004年から06年までの間に登記ベースで60歳の
「還暦」を迎える企業の中に、試練を迎えている企業が
あるのですが、ちなみにこんな企業です。
ソニーきんでん、関電工、富士重工業キッセイ薬品工業
西友カネボウ
一方で、還暦を迎えてもなお元気な会社もあります。
HOYA、西濃運輸久光製薬トヨタ自動車、サンケン電機。


ITの発達の影響が強いのでしょうが、最近では会社の寿命の
短命化が進んで、今は、15年、2010年には10年まで短命化
するという予測もあるそうです。
日々の生活で、時間に追われていることを実感されている方、
多いと思いますが、本当に時間の流れがはやくなっているのですね。
人が会社で働く年数を40年〜50年くらいとして、就職した会社が、
まだ勤めている間に、寿命がつきてしまう確率が、これからどんどん
高くなっていく。
そんな世の中だということを念頭において、自分のライフプランを
考えていかなければいけませんね。