お財布で投票

しばらく、間があいてしまいました。
久しぶりに、ネタどうしようと思っていたら、
「お財布からの投票」というコラムのタイトルが目に
飛び込んできて、「なになに?」と気になって・・・。


このコラムは、「世界を変えるお金の使い方」(山本良一責任編集
ダイヤモンド社)という本に載っています。
以前、「1秒の世界」を話題にとりあげましたが、その本を
作った山本教授の第2弾です。
コラムを書いたのは、ASU International社代表/
社会責任コンサルタントの斎藤槙(さいとうまき)さんという方。
ロサンゼルスで起業、現在も活動されています。
この方が、コロンビア大学院に留学中、ニューヨークで社会責任度の
格付けを行うリサーチ組織CEPの代表、アリス・デッパー・マーリン
に言われたのが、「お財布で投票できる」という言葉でした。
「消費者や投資家は、社会や環境にやさしい企業の商品、
サービス、株などを購入することで、世界をよりよくしていく
ことができます。それは、自分のお財布を使って良い企業に
投票するのと同じこと。」(アリス氏の言葉)
ちなみに、CEPにおいて、企業を測るモノサシが7つあります。
1.環境保護
2.女性の働きやすさ
3.マイノリティの働きやすさ
4.寄付行為
5.ファミリー重視
6.労働環境への配慮
7.情報公開


本当に、「お財布で投票ができる」のでしょうか。
その典型的な成功例として、よく取り上げられるのが、90年代に
全米で起きたあの靴メーカー「ナイキ」の問題です。
当時ナイキが、生産を委託していた東南アジアの下請け工場で、
児童労働、長時間労働などの非人道的な労働が行われていた
ことが報告され、長期間に渡り、全米で不買運動が起こりました。
その結果、ナイキの売上げは減少し、業績も悪化しました。
そして、ナイキは消費者の「No」を深刻に受け止め、労働環境を
改善、現在は「人権に配慮する会社」へと企業イメージを回復させ
ました。


こんなふうに、破壊的なもの、人の苦しみにつながるもの、人から
搾取するものに対しては、買わない、利用しなという形で、「No」
の意思表示が可能なのです。逆に、社会をよくする活動をしている
企業、地球環境に配慮している企業の商品やサービス・株を
購入することで、応援することができます。


「お財布で投票」するためには、企業がどんなことをやっているのか
よく知る必要があります。こんな観点で、「企業研究」をして、
投資したい株を選んでみると、きったはったの“株式投資”とは違った
投資の側面が見えてきますね。