ウォルマート・ストアーズは勝ち続けるか

米国でゼネラル・モーターズよりも売上高をあげている
ウォルマート・ストアーズという会社があります。
この会社、怪物のような会社です。
1995年から2000年の間に、売上げは、824億ドル
から1650億ドルへ、純利益は26億ドルから
53億ドルへと倍増。
しかし、その影で多くのお店をつぶし、のみこんできました。
過去5年間で、20社超の食品スーパーが経営破綻。
最近では、トイザらスが身売りに追い込まれています。
規模にものをいわせ、仕入れ値を極力おさえ、ITを駆使した
効率経営を行われたら、他のお店はたまったものじゃない。
このままの成長が続くと、5年後にウォルマート
売上高は5000億ドルを越え、現在のロシアのGDPを
超えオーストラリアに並ぶそうです。


しかし、一方で、巨大化したからこそのひずみもでてきて
いる模様。ウォルマートのターゲット層は、中低所得者層。
ガソリン価格や生活費の高騰で、消費は減退。
さらに、コストを極限まで切り詰めているため、従業員が
処遇改善を求めて複数の労務訴訟が起こしているそうです。
なんか、危ない臭いがするなあ。
これからの価値感は、「共生」。
一人勝ちというのは、自然の摂理に反している。
売上高、純利益ともに過去最高を更新しているのに、株価が
低迷しているのは、この変調をかぎとっているからなので
しょうか。


日本では、イトーヨーカ堂、イオン等が規模の拡大を経営戦略に
おく総合スーパーマーケット(GMS)を展開していますが、
足元、売上げは思うようにのびていません。
むしろ、ショッピングセンターという形で、個性を持った
小売専門店の集合体を作っています。
やはり、規模の拡大には限界がある。
オンリーワンのサービスをもち、この店でなきゃという
支持者に支えられたお店の方が魅力的だなと感じる
今日この頃でした。