エブリデー・ロー・プライス

西友に元気がありません。
2004年12月期の連結決算では、前期比123億円の
赤字をだしてしまいました。
米国ウォルマート・ストアーズの傘下で、経営の建て直し
をはかっていますが、ウォルマート流「エブリデー・ロー・プライス
(常時安売り販売)」がうまくいっていないと解説されていました。
日本では、毎日くるくると目玉商品を買えて、「本日の特売」という
チラシをじゃんじゃんばらまかなければ、人はあつまらないのでしょうか?


実は、うまく機能しているお店が、地方にあるのです。
岡山県を中心に24時間営業のディスカウントスーパーを展開する
「大黒物産」。特売をせず、全商品を常時安売り販売するのが、
特徴。
豆腐1丁、20円。
食パンは5枚で、97円。
缶コーヒーは1缶39円から。
安い!!!。これは、特売でもなんでもなく、毎日この値段だとか。
なぜ、こんなに安く売れるの?その上、もうかっている。
その理由は・・・・。


①大黒物産のスタートは、卸売会社。「日本の小売業は利益を取りすぎて
 いる」という疑問をもち、小売に参入。10年かけて常時安売りの仕組み
 を確立
②商品を仕入れている約200社から1品ごとに見積書をとり、
 価格を競わせる。最も安値を付けた卸から商品を大量に仕入れることで
 仕入れ価格を引き下げる。
③販売量などに応じて卸が小売に支払うリベートは一切受け取らない。
 透明性の高い仕組みで卸とのなれ合い排除して、原価そのものの削減
 につとめている。
④本部機能を20人でカバーし、人件費を圧縮。


その結果、皮肉なことに、売上高販管費比率(売上高に占める販売経費の
割合。低いほどよい。)16%とウォルマート並みに。ちなみに西友は、
27%。
日本の流通を徹底的に研究し、10年かけて仕組み作りをしてきた、大黒と
米国流のやり方をそのまま西友に移植しようとしたウォルマートの差が
ここにでている。
そういえば、どこぞの米証券も同じような失敗をしたような。


それにしても、地方の個性をもった企業が、とても元気ですね。
今、日本も世代交代を迎えようとしているのかもしれません。
ダイエー、西武、NHK、読売、それらの企業の顔であった経済界の
大物、政界の大物が次々に力を失う一方、地方の元気な会社、
ベンチャー企業、若い経営者がどんどん台頭してきています。
日枝氏 VS.堀江氏は、その時代の象徴なのかもしれません。