女性投資家

最近、女性投資家を増やすための様々なイベントが行われています。
某大手証券では、女性による女性のための投資教育を行う専門部隊が
できました。東京証券取引所大阪証券取引所では、女性のための
投資教室や、企業とタイアップして女性株主作りのためのイベントが
行われています。大手化粧品各社は、メークアップ口座を取り入れた
会社説明会を開き、女性ファンを呼び込もうとしています。


なぜ、今、女性投資家なのでしょうか。
ビジネスライクに考えれば、新しい投資家層を開拓して、
収益機会の拡大を狙うとなるわけですが、本質的には、もっと
深い意味があると思います。


女性は、「種の保存」という使命が、遺伝子のレベルに刻み
込まれています。そのため、「家(巣)を守る」という感覚に敏感で、
何か新しいことを始める前には、よく調べ、理解してからでないと、
なかなか1歩を踏み出せない傾向があります。
株式投資の本質”をよく理解し、納得すれば、理想的な投資家
になるのです。
つまり、
①企業の中身をよく吟味して、自分の気に入った株を購入し、
②中期・長期で保有する
王道を行く株主です。


①について。女性は、「自分の巣を守る」という発想で、自分の身近なことを
社会的な課題に結びつけ、自分たちの子供の世代のことまで考えた上で、
株を選ぶ傾向があります。社会的責任をはたしている会社(環境問題、
福祉問題等に熱心に取り組んでいる会社)は、大切な選択肢の1つです。


②について。中長期の保有を目的にした株主が増えれば、特に、創業
間もないベンチャー企業は、不安定な株価に悩まされることなく、
本業に専念できます。また、自分の気にいった会社ですから、
その商品を購入したり、サービスを利用したりして、会社の売上に
貢献する方もいるでしょう。株主が、その会社のサポーターになり、
その成長を支えるといった感覚です。


このような投資家が増えれば、
株式投資に対する考え方が変わり、短期売買が横行する株式市場が
変わり、企業が変わり、社会が変わる可能性があります。
女性投資家が増えることで、ちょっとだけ、世の中が変わるかもしれませんね。