スロースタイルの投資

日経金融新聞のコラムに「個人投資家日誌」というのが
連載されています。
大手米系証券などで20年間、債券トレーダーとして
活躍し、現在は、フリーの投資家と自称されている方の日誌
がのっていました。トレーダー時代の年間成績は無敗だとか。
ちょっと、おもしろそうと思い読んでみました。
トレーダーというからには、激しく売り買いを繰り返す
投機的な投資のスタイルなのかしら、と思ったら・・・。


日経平均が2003年4月、7600円の大底をつけている時期に、
電力、建設、土木、鉄鋼、大手銀行株など、けっこう地味系の
優良銘柄を買って、最悪、5年もてば5割とれると考えていたそうです。
つまり、1年で10%の利回り。
結果は、1年で5割以上利益がでたそうです。
この方、驚くべきことに、円の資産のほぼ100%を日本株
で運用していて、その3分の1から半分程度が電力株。
配当利回り2.5%の電力株が「債券・預金」の代わりだとか。
かなり、スロースタイルの投資家さんだったのです。


女性にとっては、値動きに一喜一憂して、バタンバタン売り買い
を繰り返すような投資のスタイルは、どうも体質的になじみません。
自分にとって身近で、理解のできる会社の株を「ちょこっと」
買って、じっくり持つスロースタイルの方が、しっくりくる。
企業にとっても、自社の株を長く持ってもらい、同時に、
熱心なファンになってもらえれば、大変ありがたいわけです。
女性の株主が増えてくると、世の中、少し変わるかもしれませんね。


自称、フリーの投資家さんは、こう言っています。
「投資に最も必要な感覚は『常識』。新聞と定時のニュース
で必要な情報は、ほとんど得られる。他に特別な情報は必要ない。」
株式投資は、けっこう、身近なものだという気がします。