未来学

最近、自分の中ではまった本があります。
「未来ビジネスを読む 10年後を知るための知的技術」
浜田和幸著  光文社刊
最近、ビジネス書の売上げランキングの上位によく顔を
出すようになったペーパーバックスのシリーズです。
このシリーズ、結構おもしろくて、よく読んでます。


「未来学」ってご存知ですか?
日本では学問としてもビジネスとしても確立されていない
分野です。著者の定義によると、
『個人や組織、そしてビジネスが直面するリスクを事前に
察知し、予期せざる衝撃や被害を未然に防ぐための実践的学問』
ということです。
欧米では、教育の現場でも、政治、経済、軍事など実践的
な分野においても、ヒューチャリスト(未来研究者)が
きちんとしたビジネスの場を確立しています。
なぜ、日本ではこういった発想が広がらないのか。
欧米人の「未来は自らの手で勝ち取るもの」という
狩猟的発想と、日本人の「未来は自然にやってくる」
という受け身的発想の違いによるものではないかと、著者は
指摘しています。


この未来学の発想、確かに日本に欠落しています。
政治、会社経営、教育、国家戦略にいたるまで、場当たり的
な対応が目立ちます。まあ、日本に限ったことではありません
けれどね。
「時間の概念」について学び、『人間、自然(環境)、技術』
のバランスを取った上で、将来ビジョンを考えるという発想が
必要なのでしょう。私たちの受けてきた学校教育には、
こういった明確なメッセージがありませんでした。
大人にとっても、子どもにとっても、これから必要な教育の
テーマだと思います。


未来学の発想は、投資の上でも、大変役立ちます。
マーケットの見方、会社や経営者の判断、銘柄選択、
売り買いのタイミング、いろいろ応用がききます。
それから、日本では、単なる「占い」という認識が強い占星学
も、れっきとした未来学です。
日本において、未来学やヒューチャリストが、認知されれば、
占星学を利用した相場分析も、学問として認識されると思います。