さきっぽの町

土・日で、本土最南端大隈半島の先っぽの町、「根占(ねじめ)」へ
行ってきました。
ねじめは、鹿児島空港から車で2時間くらいのとても、遠い場所に
あります。そんなに遠くまで、なにしに行ったのかというと、
「第5回異業種交流会ねじめサミット」に参加するためです。
ねじめは、情報発信に積極的な町で、サミットには、県外からも
多くの人が集まるんですよ。


夜、お茶の農園を営むご夫婦のお宅に、泊めて頂きました。
ねじめの人たちは、南国の明るい気質で、とにかくおしゃべり好き。
玄関にかぎをかけていないので、ガラガラ、「こんにちわー。」
と上がりこんできて、焼酎で宴会が始まります。
私がお邪魔したときも、ご主人の30年来の親友のご夫婦、
がいらっしゃって、そのあと、息子さん夫婦が宴会に参加。
私みたいな“よそもの”でも、すぐ知り合いのように、
気軽に接して下さるのです。


ことばがね、わからないんです。まちの人どうしが、早口でしゃべると
きょとんとしてしまいます。まるで外国にいるみたい。
時々、通訳してもらいながら、話をしていました。
あちらでは、お風呂が熱いことを、「痛い」というそうです。
ご主人が、静岡に行ったとき、お湯加減を聞かれて、
心の中で、(ですをつけて、一言一言はっきりしゃべれば、
標準語に聞こえるはず)と考え、「はい、痛いです。」と
答えると、相手の人は、「はて?」という顔をして、会話に
ならなかったとか。とにかく、明るいのです。
宴会は、1時過ぎまで続きました。


ねじめには、たくさんのいいものがあります。
自然、美味しい水、美味しい食べ物、美味しい焼酎、それに、
暖かい人々。
お世話になったお茶農園のご夫婦に聞いたところ、鹿児島は
お茶の産地だそうです。暖かい気候なので、日本で2番めに早く
新茶ができます。味もとてもいいのですが、知名度がないため、
静岡や狭山のお茶にブレンドして使われます。ねじめの名前
がでることはありません。
もったいない。


私は、お茶農園のおとうさんとおかあさんのお人柄に
惚れこんでしまいました。
時間も、お金もかかるのですが、おとうさんやおかあさん、
暖かく迎えて下さったねじめの町の人たちに会いたくて、
きっと、また訪ねて行くと思います。
今度は、友達を連れて行きます。
その人がまた、ねじめのファンになれば、ねじめの名前は
どんどん広がっていく。今は、無名のお茶が、ねじめでしか
買えないお茶になるかもしれない。
やはり、町おこしは、「人」がキーワード。
“ねじめの町の人たち”が、人をひきつける求心力になるのでしょう。



都会に住む人には、帰る田舎のない人がたくさんいます。
もし、東京に住めないような事態が起こったら、路頭に迷う
人たちがたくさんいます。
ただ、旅行に行くだけではなく、今回のように、町の人たちと
直接交流することで、田舎をもたない人にも、帰る田舎が
できるかもしれません。「ど田舎の生きる道」(今回のサミットの
テーマ)のヒントがこのあたりにありそうです。


気の弱い私は、すすめられる焼酎をことわれなくて、1日中、
飲み続けていました。(率先して、グラスをあけていたのは、
どこのどつだ。)
今、睡眠不足と、飲み疲れで、へろへろですが、これも、旅の
よいみやげか。今日も、がんばろう。